財産と借金をもれなく調べる
期限:相続放棄の判断(3か月)に間に合うよう、借金の有無を先に調べます
財産の調査は「多く見つける」ことより「漏らさない」ことが大事です。漏れた財産は、遺産分割協議のやり直しと、相続税の修正申告・加算税につながります。逆に、借金が財産より多いなら3か月以内に相続放棄を選ぶ必要があり、その判断もこの調査の結果で決まります。
財産の種類ごとの調べ方
| 財産 | 手がかり | 取る書類・照会先 |
|---|---|---|
| 預貯金 | 通帳・キャッシュカード・郵便物・スマホの銀行アプリ | 各金融機関で「残高証明書」(死亡日時点)と過去の取引履歴(相続税がかかる場合は5〜10年分) |
| 不動産 | 固定資産税の納税通知書・権利証(登記識別情報) | 板橋都税事務所で「名寄帳」(区内の所有不動産一覧)と固定資産評価証明書。法務局で登記事項証明書 |
| 株式・投資信託 | 証券会社からの取引報告書・配当の通知 | 証券会社で残高証明書。不明なら証券保管振替機構(ほふり)に「登録済加入者情報の開示請求」 |
| 生命保険 | 保険証券・保険料の引落し | 各保険会社に照会。契約が分からなければ生命保険協会の「生命保険契約照会制度」 |
| 借入金・保証債務 | 返済の引落し・督促状・契約書 | 各金融機関に残高照会。信用情報機関(CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センター)への開示請求で借入先を把握 |
| 未払金・その他 | 医療費・介護費・税金の請求書、公共料金 | 請求書を保管(相続税の債務控除に使える) |
板橋区内に土地・建物を持っていた方なら、まず板橋都税事務所(大山東町44-8)で「名寄帳」を取ってください。区内で所有していた不動産が一覧になっており、納税通知書に載らない共有持分や私道も分かります。23区では固定資産税を都が扱うため、区役所ではなく都税事務所が窓口です。板橋区以外の不動産は、その市区町村の役所で同様に取れます。
凍結された口座から引き出す「預貯金の仮払い制度」
金融機関は死亡を知ると口座を凍結します。遺産分割が終わるまで原則として引き出せませんが、平成31年7月から、各相続人が単独で一定額を引き出せる「仮払い制度」があります(民法909条の2)。上限は「死亡時の預貯金残高×1/3×自分の法定相続分」で、同じ金融機関からは合計150万円までです。
たとえば預金600万円、相続人が配偶者と子1人の場合、配偶者は600万×1/3×1/2=100万円まで、その金融機関で引き出せます。葬儀費用や当面の生活費に充てられますが、引き出した分は遺産分割の際に「その人が先に受け取った分」として調整されます。相続放棄を考えている方は、この制度も使わないでください。
財産目録を作る
調べた結果は「財産目録」として一覧にします。財産ごとに、種類・所在(金融機関名・支店・口座番号、不動産の所在地・地番・家屋番号)・死亡日の評価額・名義・取得予定者の欄を作ります。この目録が、遺産分割協議の土台であり、相続税の申告要否判定(第9段階)の材料にもなります。
相続税がかかる可能性がある場合は、預貯金の残高だけでなく「亡くなる前の数年間の入出金」も見ます。生前贈与の加算、名義預金(家族名義だが実質は亡くなった方の預金)、直前の引出しは税務調査で最もよく指摘される点だからです。当事務所では通帳のコピーから資金の動きを読み取り、申告に含めるべきものを整理します。
この段階で使う板橋区の窓口
この段階で当事務所ができること
- 残高証明書・取引履歴・名寄帳・登記事項証明書の取り方のご案内と、取得の代行
- 通帳・取引履歴からの資金移動の読み取り(名義預金・生前贈与・直前引出しの整理)
- 財産目録の作成と、相続放棄を検討すべきかどうかの判断材料の整理
税理士と行政書士を兼ねているため、税務と書類作成を一つの窓口で進められます。 相続のご相談は土日祝日を問わず、東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県のご自宅へ訪問しています。 事務所は東武東上線「大山」駅から徒歩1分、板橋税務署と同じ大山東町です。 相続税申告の報酬の目安は料金ページに掲載しています。
よくあるご質問
亡くなった父の借金があるか分かりません。
3つの信用情報機関(CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センター)に、相続人として開示請求すると、貸金業者・カード会社・銀行からの借入が分かります。友人からの借入や連帯保証は信用情報に載らないため、契約書や郵便物を確認します。借金が多そうなら、3か月の期限内に相続放棄か限定承認を検討します(第5段階)。
生命保険金は相続財産ですか?
受取人が指定された死亡保険金は、受取人固有の財産で、遺産分割の対象にはなりません(相続放棄をしても受け取れます)。ただし相続税では「みなし相続財産」として課税対象になり、法定相続人1人あたり500万円の非課税枠があります。財産目録には「みなし相続財産」として別枠で載せておくと、後の申告で漏れません。
出典・根拠: 板橋都税事務所(東京都主税局) /法務省「相続に関するルールが大きく変わります」(預貯金の払戻し制度) /国税庁 タックスアンサー No.4114「相続税の課税対象になる死亡保険金」
板橋区の相続手続き 全10段階
- 1. 亡くなった直後にする板橋区役所の手続き
- 2. 遺言書があるかを確認する
- 3. 戸籍を集めて相続人を確定する
- 4. 財産と借金をもれなく調べる(このページ)
- 5. 相続放棄・限定承認を3か月以内に判断する
- 6. 亡くなった方の所得税を4か月以内に申告する(準確定申告)
- 7. 遺産分割協議をして協議書を作る
- 8. 預貯金・不動産・車の名義を変える
- 9. 相続税がかかるかを判定する
- 10. 相続税を10か月以内に申告・納付する
どの段階からでも、ご相談ください
初回のご相談は無料です。土日祝日を問わず、ご自宅へ訪問します。