相続税がかかるかを判定する
期限:判定そのものに期限はありませんが、申告が必要なら10か月以内です
「うちは相続税なんてかからない」——多くの場合はそのとおりです。ただ、板橋区で自宅の土地を持っているご家庭は、預貯金と保険を足すと基礎控除を超えることが珍しくありません。ここでは、自分で目安をつけるための計算の手順と、「かからないと思ったらかかっていた」典型例を説明します。
手順1:基礎控除を計算する
基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数。相続人が配偶者と子2人なら3人で4,800万円、子1人だけなら3,600万円です。相続放棄をした人も「法定相続人の数」に含めます。養子は、実子がいる場合は1人まで、いない場合は2人までしか数に入れません。
遺産の総額(後述の課税価格の合計)がこの金額以下なら、相続税はかからず、申告も不要です。超えていれば、超えた部分に相続税がかかり、申告が必要です。
手順2:遺産の総額(課税価格)を出す
| 加える・引く | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| + | 本来の相続財産 | 預貯金・不動産・株式・車・貴金属・ゴルフ会員権など。名義預金(家族名義だが実質は亡くなった方のもの)も含む |
| + | みなし相続財産 | 死亡保険金・死亡退職金。それぞれ「500万円×法定相続人の数」まで非課税 |
| + | 生前贈与の加算 | 相続人への死亡前3年以内の贈与(令和6年1月1日以後の贈与から段階的に7年へ延長。延長された4年分は合計100万円まで加算しない)。相続時精算課税を選んでいた贈与は全額(令和6年以降は年110万円の基礎控除分を除く) |
| − | 非課税財産 | 墓地・仏壇、国等への寄附など |
| − | 債務 | 借入金・未払医療費・未払税金(準確定申告の所得税、固定資産税など) |
| − | 葬式費用 | 通夜・葬儀・火葬・お布施など(香典返し・墓石購入・法事の費用は除く) |
不動産は時価ではなく、土地は「路線価」(板橋区内はほぼ全域に路線価が付いています)、建物は「固定資産税評価額」で評価します(国税庁 タックスアンサー No.4602「土地家屋の評価」)。路線価は時価のおおむね8割、建物の評価額は建築費の5〜6割程度になることが多く、時価で見積もるより低くなります。ただし、自宅の土地の評価を最大80%減らす「小規模宅地等の特例」は、この判定の段階では使えません(次で説明)。
「特例を使えばかからない」でも申告は必要
自宅の土地の評価額を330㎡まで80%減額する「小規模宅地等の特例」と、配偶者が取得した財産は1億6,000万円または法定相続分まで無税になる「配偶者の税額軽減」は、どちらも「申告書を提出すること」が要件です。特例を使う前の遺産の総額が基礎控除を超えていれば、特例の結果として税額がゼロになっても、10か月以内の申告が必要です。
板橋区の例で考えます。大山駅近くで路線価が1㎡あたり50万円、自宅の土地が100㎡なら、土地だけで5,000万円。配偶者と子2人(基礎控除4,800万円)の場合、これだけで基礎控除を超えます。小規模宅地等の特例で土地が1,000万円になり、税額はゼロになるかもしれませんが、「申告不要」ではなく「申告してゼロ」です。申告しなければ特例は使えず、本来の税額を請求されます。
国税庁の「相続税の申告要否判定コーナー」で、財産の額を入れると申告が必要かどうかの目安が出ます。ここで「要」と出た場合、または迷う場合は、財産の一覧をお持ちいただければ無料で試算します。
この段階で使う板橋区の窓口
この段階で当事務所ができること
- 財産目録から課税価格を計算し、申告が必要かどうかを判定(初回無料)
- 名義預金・生前贈与・直前引出しなど、税務調査で問われやすい点の事前整理
- 路線価と固定資産税評価額による不動産評価の概算(板橋区内の土地の評価に慣れています)
税理士と行政書士を兼ねているため、税務と書類作成を一つの窓口で進められます。 相続のご相談は土日祝日を問わず、東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県のご自宅へ訪問しています。 事務所は東武東上線「大山」駅から徒歩1分、板橋税務署と同じ大山東町です。 相続税申告の報酬の目安は料金ページに掲載しています。
よくあるご質問
亡くなった母が、私の名義で貯めていた預金があります。私のものですか?
名義が子であっても、原資が母の収入で、通帳や印鑑を母が管理し、子がその存在を知らなかったような預金は「名義預金」として母の相続財産に含めて申告する必要があります。相続税の税務調査で最も多く指摘される項目です。判断に迷うものは申告前にご相談ください。
毎年110万円ずつ贈与を受けていました。加算の対象ですか?
相続人が受けた贈与は、死亡前3年以内の分(令和6年1月1日以後の贈与は段階的に7年以内へ延長)が加算されます。110万円以下で贈与税がかからなかった贈与も加算対象です。延長された4年分については合計100万円まで加算されません。相続人でない孫への贈与は、原則として加算されません。
出典・根拠: 国税庁 タックスアンサー No.4102「相続税がかかる場合」 /国税庁 タックスアンサー No.4161「贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)」 /国税庁 タックスアンサー No.4124「相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」 /国税庁 タックスアンサー No.4602「土地家屋の評価」 /国税庁「相続税の申告要否判定コーナー」
板橋区の相続手続き 全10段階
- 1. 亡くなった直後にする板橋区役所の手続き
- 2. 遺言書があるかを確認する
- 3. 戸籍を集めて相続人を確定する
- 4. 財産と借金をもれなく調べる
- 5. 相続放棄・限定承認を3か月以内に判断する
- 6. 亡くなった方の所得税を4か月以内に申告する(準確定申告)
- 7. 遺産分割協議をして協議書を作る
- 8. 預貯金・不動産・車の名義を変える
- 9. 相続税がかかるかを判定する(このページ)
- 10. 相続税を10か月以内に申告・納付する
どの段階からでも、ご相談ください
初回のご相談は無料です。土日祝日を問わず、ご自宅へ訪問します。