Fiduciary Duty

顧客本位の業務運営に関する方針(FD宣言)

制定日:2026年9月2日
金融庁「顧客本位の業務運営に関する原則」(2017年3月30日策定/2021年1月15日改訂/2024年9月26日改訂)を採択

はじめに(本方針の趣旨)

吉本勝也税理士行政書士事務所(以下「当事務所」)は、税理士業務・行政書士業務を通じてお客様の事業と財産をお守りするとともに、生命保険募集人(保険代理店)として、お客様のリスクに備えるための保険をお取扱いしています。

保険をお選びいただく場面では、お客様と当事務所との間に、商品知識や情報の量に大きな差があります。また、当事務所は保険会社から募集手数料を受け取る立場にあり、お客様の利益と当事務所の利益が一致しない可能性を常に抱えています。当事務所は、この構造を正面から認識したうえで、お客様の最善の利益を第一に考えて行動することをお約束します。

当事務所は、金融庁が公表する「顧客本位の業務運営に関する原則」(以下「本原則」といいます。)を採択し、その趣旨・精神に沿って業務を行うため、本方針を策定・公表します。あわせて、2024年11月1日に施行された金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律(金融サービス提供法)第2条に定める「顧客等の最善の利益を勘案しつつ、顧客等に対して誠実かつ公正に、その業務を遂行する義務」を、当事務所の業務全体を貫く基本姿勢として位置づけます。

本方針の対象業務・取扱商品の範囲

本方針は、当事務所が行う生命保険の募集業務を主たる対象とします。あわせて、税務・会計・行政書士業務についても、その趣旨を可能な限り準用します。

なお、当事務所が取り扱うのは、特定の生命保険会社1社の保障性商品(万一のとき、病気・けが、介護などに備える保険)のみです。変額保険・外貨建保険などの投資性のある保険、および損害保険は取り扱っておりません。

方針1.本方針の策定・公表と定期的な見直し

(本原則 原則1に対応)

当事務所は、お客様本位の業務運営を実現するための本方針を策定・公表し、その取組状況を定期的に公表します。本方針は、法令の改正、お客様の声、当事務所の業務内容の変化を踏まえ、より良い業務運営を実現するために定期的に見直します。

主な取組み

  1. 本方針および取組状況を、当事務所ウェブサイトに掲載し、いつでもご覧いただけるようにします。
  2. 本方針の取組状況は、年1回以上、見直しのうえ公表します。
  3. 本方針の策定・見直しは、所長(保険募集の統括責任者)が行い、所内の全職員に周知します。
  4. 本方針の内容は、目の前のお客様だけでなく、その先にいるご家族・ご遺族・従業員の方など、保険金や給付金を最終的に受け取られる方々の利益も念頭に置いて定めます。

方針2.お客様の最善の利益の追求

(本原則 原則2に対応)

当事務所は、高度の専門性と職業倫理を保持し、お客様に対して誠実・公正に業務を行い、お客様の最善の利益を図ります。当事務所は、お客様に良質なサービスを提供し続けることが、結果として当事務所の安定した信頼と経営につながると考え、目先の手数料収入を優先しません。

主な取組み

  1. 保険のご提案は、お客様の家族構成・事業の状況・将来の資金計画をお伺いしたうえで行い、「今、本当に必要かどうか」を率直にお伝えします。保険にご加入されないことがお客様にとって最善であると判断した場合には、その旨をお伝えします。
  2. 税務上の取扱い(損金算入等)のみを強調して保険をお勧めすることはしません。保険は本来の保障の必要性から検討いただき、税務上の取扱いはあくまで付随的な情報として、適用要件・将来の解約時の課税を含めて正確にご説明します。
  3. 税理士・行政書士としての職業倫理(税理士法上の使命・守秘義務)を、保険募集の場面でも同様に守ります。
  4. 既にご加入の保険の見直し(乗換え)をご提案する場合は、解約返戻金の水準、告知や健康状態による再加入の可否、保険料の変動、予定利率の差など、お客様が不利益を受けるおそれのある事項を、必ず書面でご説明します。

方針3.利益相反の適切な管理

(本原則 原則3に対応)

当事務所は、税務顧問業務と保険募集業務を兼ねており、また保険会社から募集手数料を受け取る立場にあります。当事務所は、これらに伴うお客様との利益相反の可能性を正確に把握し、適切に管理します。

当事務所が認識している利益相反の可能性

想定される場面懸念される内容
保険会社から募集手数料を受け取る手数料の高い商品を優先してお勧めしてしまうおそれ
税務顧問先へ保険をお勧めするお客様が顧問税理士の勧めを断りにくく、必要以上の契約に至るおそれ
取扱いが1社に限られる他社にお客様により適した商品がある場合でも、自社の取扱商品に誘導してしまうおそれ
相続・事業承継のご相談から保険提案につながる申告業務等で知り得た財産情報を、募集の目的に偏って用いるおそれ

主な取組み

  1. 保険のご契約の有無は、税務顧問契約の締結・継続・報酬額の条件に一切しません。保険のご提案をお断りいただいても、税務・会計サービスの内容は何ら変わりません。
  2. 商品の推奨は、手数料の水準ではなく、お客様のご意向・必要保障額・保険料負担・保障内容の適合性に基づいて行います。推奨の理由は、お客様にご説明します。
  3. 当事務所の取扱いが特定の1社に限られていることを、ご提案の初めにお伝えします。他社を含めた比較をご希望の場合や、当事務所の取扱商品ではお客様のご要望に沿えないと判断した場合は、その旨を率直にお伝えします。
  4. 保険会社が実施するキャンペーンや表彰制度を、商品の選定・推奨の理由としません。
  5. 税務業務を通じて知り得たお客様の情報を保険募集に利用する場合は、あらかじめお客様の同意をいただきます。
  6. 利益相反のおそれがある事案は、担当者の判断のみで進めず、所長が確認します。管理の状況は年1回点検します。

方針4.手数料等の明確化

(本原則 原則4に対応)

当事務所は、名目を問わず、お客様にご負担いただく費用の内容を、それが何の対価であるかを含めて、ご理解いただけるようご説明します。

主な取組み

  1. 保険料の内容と、解約時に払い戻される金額(解約返戻金)の有無・水準を、パンフレット・契約締結前交付書面等を用いてご説明します。保険料が保障に充てられるため、解約された場合にお支払いいただいた保険料の合計を下回ることがある点も、あわせてお伝えします。
  2. 当事務所は、保険の募集についてお客様から直接手数料をいただくことはありません。当事務所の収入は、保険会社から支払われる募集手数料です。この点を、ご提案の初期段階でお伝えします。
  3. お客様からご要望があった場合には、当該契約に関して当事務所が保険会社から受け取る手数料について、当事務所が保険会社との関係で開示できる範囲でご説明します。
  4. 税務顧問報酬・相続税申告報酬等については、報酬規程および見積書により、業務範囲と金額の根拠を事前に明示します。

方針5.重要な情報の分かりやすい提供

(本原則 原則5に対応)

当事務所は、お客様との間に情報の格差があることを踏まえ、保険商品の販売・推奨に係る重要な情報を、お客様がご理解いただけるよう分かりやすくご提供します。

必ずお伝えする「重要な情報」

  1. 商品の基本的な内容(保障の範囲、給付の条件、保険期間、保険料、解約返戻金の有無と水準)
  2. お客様が不利益を受けるおそれのある事項(保障の対象とならない場合、免責事由、解約時に払込保険料の合計を下回る可能性、告知していただいた内容に事実と異なる点があった場合の契約解除など)
  3. 保険会社が販売対象として想定しているお客様の属性
  4. その商品を選んだ理由(お客様のご意向・ニーズを踏まえたと判断する理由を含む)
  5. 利益相反の可能性がある場合には、その具体的な内容(保険会社から受け取る手数料を含む)

主な取組み

  1. 専門用語をそのまま用いず、日常の言葉に言い換えてご説明します。必要に応じて図や数値例を用います。
  2. お客様の年齢・ご経験・ご理解の状況に応じ、説明の速度と分量を調整します。ご高齢のお客様には、ご家族の同席をお願いするなど、より慎重な対応を行います。
  3. 商品の複雑さに見合った説明を行います。保障内容が分かりやすい商品については要点を簡潔にお伝えし、保障の組み合わせが複雑な商品や、保険期間が長く将来の負担が見通しにくい商品については、時間をかけて丁寧にご説明します。
  4. とくに重要な事項(デメリット情報・お客様が不利益を受けるおそれのある事項)は、強調して表示し、口頭でも重ねてご説明します。
  5. 保険と他の商品・サービスを組み合わせて販売することはしません。税務顧問契約とのセット販売も行いません。

方針6.お客様にふさわしいサービスの提供

(本原則 原則6に対応)

当事務所は、お客様の資産状況、取引経験、知識、および取引の目的・ご意向を把握したうえで、そのお客様にふさわしい保険をご提案します。

主な取組み

  1. ご提案の前に、意向把握の書面等を用いて、お客様のご意向(何に備えたいか、どなたのための保障か、いつまで、いくら必要か、保険料はいくらまでか)を確認し、記録します。ご契約の直前には、最終的なご意向とご提案内容が合っているかを再度確認します。
  2. 当事務所の取扱いは特定の生命保険会社1社の保障性商品に限られており、他社商品との比較はできません。この点をご提案の初めにお伝えしたうえで、その中からお勧めする商品を選んだ理由をご説明します。取扱いのない商品分野については、その旨を正直にお伝えし、必要に応じて他の専門家をご紹介します。
  3. 保険会社が特定・公表している「販売対象として想定する顧客属性」を十分に理解したうえで、当事務所自身の責任において、お客様に適合するかを判断します。
  4. 高齢のお客様、認知・判断能力に不安のあるお客様、金融取引のご経験が少ないお客様に対しては、複数回に分けたご説明、ご家族の同席、後日の再確認など、より慎重な手続をとります。
  5. ご契約後も、年1回程度を目安にご契約内容の確認のご連絡を行い、ご家族構成・事業内容・法制度の変化に応じた見直しの要否を、長期的な視点でご案内します。
  6. 職員が取り扱う保険商品の仕組みを十分に理解できるよう、保険会社の研修・当事務所内の勉強会に継続的に参加します。あわせて、お客様が保険・税金に関する基本的な知識を得られるよう、当事務所ウェブサイトのコラム等による情報提供を積極的に行います。
  7. 保険会社に対し、実際にご契約いただいたお客様の属性や、お客様からいただいたご意見・販売の状況などの情報を提供し、より良い商品づくりに向けて保険会社と連携します。
  8. 商品を選ぶにあたっては、保険会社において商品の品質管理(プロダクトガバナンス)がどのように行われているかの把握に努め、必要に応じて商品の選定に活用します。

方針7.職員に対する適切な動機づけの枠組み等

(本原則 原則7に対応)

当事務所は、お客様の最善の利益を追求する行動、お客様の公正なお取扱い、利益相反の適切な管理を促すための体制を整備します。

主な取組み

  1. 職員の評価において、保険の販売件数・手数料収入を主たる基準としません。意向把握・説明の適切さ、アフターフォローの実施状況、お客様からの評価を重視します。
  2. 保険募集に従事する職員は、募集人資格を適切に取得・更新し、コンプライアンス研修および商品研修を毎年受講します。
  3. 本方針において実施する内容、および実施しない項目とその代替策を、全職員に周知します。新たに保険募集に従事する職員には、業務開始前に本方針を説明します。
  4. お客様からの苦情・ご意見は所長に集約し、原因を分析して募集手続の改善につなげます。
  5. 保険募集の管理責任者を所長とし、募集記録・意向確認書類の整備状況を定期的に点検することで、職員の業務を支援・検証します。

本原則の各項目と本方針との対応関係

当事務所は、本原則のうち以下の項目については、当事務所の業務内容に照らして実施の対象となりません。実施しない理由は次のとおりです。

本原則の項目対応理由・代替策
原則1〜7(本文)実施方針1〜7のとおり
原則3(注)3点目(運用部門を有する場合の利益相反)該当なし当事務所は資産の運用部門を有しません。
原則5(注2)(パッケージ販売時の情報提供)該当なし保険商品を他の商品・サービスとパッケージ化して販売・推奨することはありません(方針5)。
原則6(注1)1点目(目標資産額・安全資産と投資性資産の割合の検討)該当なし当事務所は投資性のある保険(変額保険・外貨建保険等)を取り扱わず、資産運用の提案を行いません。保障性商品のご提案にあたっては、必要保障額と保険料のご負担能力の検討を行います。
原則6(注1)2点目(自らが取り扱う商品の横断的な比較)一部実施当事務所の取扱いは特定の生命保険会社1社の保障性商品に限られるため、他社商品との比較はできません。この事実をご提案の初めにお伝えしたうえで、取扱商品の範囲内で、保障内容と保険料を比較しながらご提案します(方針6)。
原則6(注2)(パッケージ全体の適合性)該当なし上記のとおりパッケージ販売を行いません。
原則6(注3)前段(商品の組成に携わる場合の想定顧客属性の特定・公表)該当なし当事務所は金融商品の組成に携わりません。後段(販売者としての適合性判断)は方針6のとおり実施します。
プロダクトガバナンスに関する補充原則1〜5(2024年9月26日改訂により追加)該当なし本補充原則は金融商品の組成に携わる金融事業者(組成会社)を名宛人とするものであり、当事務所は金融商品の組成に携わりません。ただし、販売に携わる立場として、原則6(注6)(注7)に基づき、保険会社との情報連携および保険会社の商品品質管理の把握に努めます(方針6)。

取組状況の公表

当事務所は、本方針に係る取組状況を年1回公表します。

当事務所は少人数で業務を行う小規模な事務所であり、お取扱いする件数も限られていることから、割合や率といった数値による成果指標(KPI)を継続的に集計・公表することは、かえって形式的な対応となり、お客様に実態をお伝えすることにつながらないと考えています。そのため、数値指標は用いず、その年に行った取組みの概要、お客様からいただいたご意見・苦情への対応、および本方針の見直しの有無を、簡潔にご報告する方法によります。

本方針に関するお問い合わせ

本方針の内容に関するお問い合わせ、保険募集に関するご意見・苦情は、k.yoshimoto1807@ivy-cpta.jp または TEL 090-6951-9800 までご連絡ください。

制定・改定履歴

年月日内容
2026年9月2日制定

参考:金融庁「顧客本位の業務運営に関する原則」(2024年9月26日改訂)
https://www.fsa.go.jp/policy/kokyakuhoni/kokyakuhoni.html