戸籍を集めて相続人を確定する
期限:期限はありませんが、3か月(相続放棄)と10か月(相続税)の判断の土台になります
「相続人は妻と子ども2人。分かっている」——多くのご家庭はそうです。それでも、金融機関も法務局も税務署も、口頭の説明ではなく戸籍で相続人を確認します。前の配偶者との子、認知した子、養子縁組は、戸籍を出生までさかのぼって初めて分かることがあります。ここを固めておくと、後の手続きが一気に楽になります。
誰が相続人になるか(法定相続人の順位)
| 順位 | 相続人 | 法定相続分(配偶者がいる場合) |
|---|---|---|
| 常に | 配偶者 | — |
| 第1順位 | 子(亡くなっていればその子=孫) | 配偶者1/2・子1/2(子が複数なら均等) |
| 第2順位 | 直系尊属(父母・祖父母)※子がいない場合 | 配偶者2/3・直系尊属1/3 |
| 第3順位 | 兄弟姉妹(亡くなっていればその子=甥・姪まで)※子も直系尊属もいない場合 | 配偶者3/4・兄弟姉妹1/4 |
内縁の配偶者や、相続人の配偶者(長男の妻など)は法定相続人ではありません。養子は実子と同じ扱いです。相続放棄をした人は初めから相続人でなかったものとされ、その人の子が代わりに相続することもありません(相続人の範囲と法定相続分の根拠:国税庁 タックスアンサー No.4132、民法887条〜890条・900条)。
法定相続分は「遺言も協議もないときの分け方の目安」であり、相続人全員が合意すればこれと違う割合で分けて構いません。ただし相続税の計算では、実際の分け方に関係なく、いったん法定相続分で分けたものとして税額の総額を求めます(第10段階)。
集める戸籍と、板橋区での取り方
基本セットは次のとおりです。①亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍(除籍・改製原戸籍を含む)、②亡くなった方の住民票の除票(または戸籍の附票)、③相続人全員の現在の戸籍、④相続人全員の住民票または戸籍の附票。子が先に亡くなっている場合はその子の出生から死亡までの戸籍、兄弟姉妹が相続人になる場合は亡くなった方の両親の出生から死亡までの戸籍も必要になり、量が大きく増えます。
本籍が板橋区にある戸籍は、区役所の戸籍住民課と各区民事務所で取れます。おくやみコーナーの予約時に「相続手続きに使う戸籍をまとめて」と伝えると効率的です。令和6年3月からは「広域交付」が始まり、本籍地が板橋区以外でも、本人・配偶者・直系の親族の戸籍であれば板橋区役所の窓口で請求できるようになりました(兄弟姉妹の戸籍や、郵送・代理人請求は対象外。制度の説明は法務省「戸籍法の一部を改正する法律について」)。
本籍地が転々としていて自分で追うのが難しい場合は、行政書士が職務上請求で収集を代行できます。当事務所でも承っています。
法定相続情報一覧図を作っておく
集めた戸籍の束を法務局に提出すると、相続関係を1枚の図にした「法定相続情報一覧図」に登記官の認証を付けて、無料で必要な枚数を交付してもらえます。以後は、戸籍の束の代わりにこの1枚を各金融機関・税務署・法務局に出せばよくなります。
申出先は、亡くなった方の本籍地・最後の住所地・申出人の住所地・不動産の所在地のいずれかを管轄する法務局です。板橋区にお住まいだった方なら東京法務局板橋出張所で手続きできます。相続税の申告書にも、戸籍謄本の代わりとして添付できます(図に「続柄」が記載されているものに限ります)。
金融機関が3か所以上ある、不動産がある、相続税の申告がある——このどれかに当たるなら、作っておく価値があります。当事務所では戸籍収集からこの一覧図の作成・申出まで一括で行っています。
この段階で使う板橋区の窓口
板橋区板橋2-66-1 区役所1階 1番窓口の前
区役所で必要な手続きをまとめて案内してもらえる予約制の窓口です。月〜金(祝日除く)1日4組。予約は戸籍住民課専用電話 03-3579-2427(午前9時〜午後4時)へ、希望日の3日前までに。「おくやみハンドブック」もここで配布しています。
この段階で当事務所ができること
- 出生から死亡までの戸籍の収集代行(行政書士業務)と、読み取り・相続人の確定
- 相続関係説明図・法定相続情報一覧図の作成と法務局への申出
- 前婚の子・養子・認知など、想定外の相続人が判明したときの進め方のご相談
税理士と行政書士を兼ねているため、税務と書類作成を一つの窓口で進められます。 相続のご相談は土日祝日を問わず、東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県のご自宅へ訪問しています。 事務所は東武東上線「大山」駅から徒歩1分、板橋税務署と同じ大山東町です。 相続税申告の報酬の目安は料金ページに掲載しています。
よくあるご質問
相続人の一人と連絡が取れません。
戸籍の附票で現住所を調べ、手紙で連絡を取るのが第一歩です。所在が分からないときは家庭裁判所に「不在者財産管理人」の選任を申し立て、その管理人を相手に遺産分割協議を行う方法があります。連絡が取れない相続人を除いた協議は無効なので、放置はできません。
相続人に認知症の方や未成年者がいます。
認知症で判断能力が十分でない方は、そのままでは協議に参加できず、成年後見人の選任が必要になることがあります。未成年者は親が代理しますが、親自身も相続人の場合は利益が対立するため、家庭裁判所で「特別代理人」を選んでもらいます。いずれも東京家庭裁判所への申立てで、数か月かかるため早めの着手が必要です。
出典・根拠: 国税庁 タックスアンサー No.4132「相続人の範囲と法定相続分」 /法務局「法定相続情報証明制度について」 /東京法務局 板橋出張所
板橋区の相続手続き 全10段階
- 1. 亡くなった直後にする板橋区役所の手続き
- 2. 遺言書があるかを確認する
- 3. 戸籍を集めて相続人を確定する(このページ)
- 4. 財産と借金をもれなく調べる
- 5. 相続放棄・限定承認を3か月以内に判断する
- 6. 亡くなった方の所得税を4か月以内に申告する(準確定申告)
- 7. 遺産分割協議をして協議書を作る
- 8. 預貯金・不動産・車の名義を変える
- 9. 相続税がかかるかを判定する
- 10. 相続税を10か月以内に申告・納付する
どの段階からでも、ご相談ください
初回のご相談は無料です。土日祝日を問わず、ご自宅へ訪問します。