相続

【信託シリーズ⑤】家族信託で失敗しないための注意点|赤字の切捨て・遺留分・30年ルール・信託口口座

連載の最終回は、「知らなかったでは済まない」注意点です。

家族信託は、いったん契約して登記まで済ませてしまうと、後から作り替えるのに大きな手間と費用がかかります。設計の段階で気づいていれば避けられたはずの失敗が、実務では繰り返されています。

ここでは、当事務所が特に重要だと考える5つの論点を取り上げます。信託を検討中の方は、提案を受けた設計がこれらに配慮しているかどうか、ぜひ確認してみてください。

※本記事は令和8年8月17日現在の法令・公表情報をもとに作成しています。

この連載(全5回)の構成

テーマ
第1回家族信託とは何か|仕組みと登場人物
第2回遺言・成年後見・生前贈与との違いと使い分け
第3回家族信託が有効な5つの場面
第4回信託の税金|誰に、いつ、何の税金がかかるのか
第5回(この記事)失敗しないための注意点

1. 注意点①|信託した不動産の赤字は切り捨てられる

何が起きるのか

税務上、もっとも重い落とし穴がこれです。

特定受益者(信託の所得税法第13条第1項に規定する受益者をいう。)に該当する個人が、平成十八年以後の各年において、(略)信託から生ずる不動産所得を有する場合においてその年分の不動産所得の金額の計算上(略)信託による不動産所得の損失の金額として政令で定める金額があるときは、当該損失の金額に相当する金額は、(略)生じなかつたものとみなす。(租税特別措置法41条の4の2第1項)

通常なら、賃貸不動産の赤字は給与所得や他の不動産所得と相殺(損益通算)できます。ところが、信託した不動産の赤字は「なかったもの」として扱われ、相殺も繰越しもできません

信託した不動産の赤字が切り捨てられる仕組み 信託をしていない場合、アパートの大規模修繕で1000万円の赤字が出ると、他の不動産所得600万円と相殺して所得を減らすことができます。信託をしている場合、信託した不動産の赤字1000万円はなかったものとみなされるため、他の不動産所得600万円がそのまま課税対象になり、赤字は翌年に繰り越すこともできません。 例:アパートの大規模修繕で1,000万円の赤字が出た年(ほかに不動産所得600万円) 信託していない場合 アパートの赤字 ▲1,000万円 ほかの不動産所得 +600万円 相殺できる 課税される所得は 0円 アパートを信託していた場合 赤字 ▲1,000万円は なかったものとみなされる ほかの不動産所得 +600万円 相殺できない 600万円に課税・繰越しも不可
図1:信託した不動産の赤字の扱い。租税特別措置法41条の4の2により、損益通算も繰越しもできません。

なぜ避けられないのか

「では、信託していない不動産の黒字と相殺すればよいのでは」と思われるかもしれませんが、それもできません。信託ごとに判定され、信託の外の所得とは切り離されます。信託を2つに分けても、信託間での相殺はできません。

実務上の対策

対策内容
修繕の時期を前倒しする大規模修繕が近いなら、信託を設定する前に本人の固有財産のまま実施して損益通算する
工事を分割する単年度で大きな赤字が出ないよう、数年に分けて実施する
信託する財産を選ぶ赤字が見込まれる物件は信託せず、遺言や任意後見でカバーする
黒字の見込みを試算する減価償却費・借入金利子を含めて、信託後の各年の損益を事前にシミュレーションする

これは「契約書を作る前」にしか打てない手です。 信託の設計に税理士が関与すべき最大の理由がここにあります。

2. 注意点②|遺留分は、信託では消せない

遺留分とは

遺留分とは、兄弟姉妹以外の相続人に法律上保障された最低限の取り分です。侵害された相続人は、金銭の支払いを請求できます

遺留分権利者及びその承継人は、受遺者(略)又は受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができる。(民法1046条1項)

平成30年の民法改正(令和元年7月1日施行)により、遺留分の請求は金銭債権になりました。つまり、不動産の持分を取り戻されるのではなく、現金を払えと請求される形になります。

「信託にすれば遺留分をかわせる」は誤りです

一時期、「信託であれば遺留分の対象外だ」という説明が見られました。しかし、この考え方に警鐘を鳴らす裁判例があります。

東京地方裁判所 平成30年9月12日判決では、被相続人が所有する不動産のほぼすべてを信託財産とし、受益権の大半を次男に取得させた事案について、次のような判断が示されました。

  • 経済的利益の分配が想定されない不動産まで信託の目的財産としたことは、遺留分制度を潜脱する意図によるものである
  • そのような部分については公序良俗に反し無効である

※この判決は控訴審において和解が成立しており、判例として確定したものではありません。ただし、実務では設計上の重要な指針として広く参照されています。

遺留分は、器を信託に替えたからといって消えるものではありません。 「遺留分対策として信託を」という提案を受けたら、その根拠を必ず確認してください。

遺留分への備え方 遺留分を無視した信託の設計は、公序良俗に反して一部が無効とされたり、遺留分侵害額として多額の金銭の支払いを求められたりするおそれがあります。備え方としては、遺留分に配慮した受益権の割合にすること、支払いに充てる資金を生命保険で用意しておくこと、生前に家族へ説明して理解を得ておくことの3つが挙げられます。 遺留分を無視した設計のリスク 信託の一部が無効とされる/多額の金銭の支払いを請求される/家族間の争いが残る 備え方の3つの柱 ① 割合に配慮する 受益権の割合を 遺留分を意識して 設定する ② 支払う現金を用意 生命保険金は 受取人の固有財産 → 支払原資にできる ③ 生前に説明する なぜこの形にするのか 家族に伝えておく (最も効果的です)
図2:遺留分への備え方。消す方法を探すのではなく、払える形を整えるのが実務です。

3. 注意点③|受益者連続の「30年ルール」

何が制限されるのか

第2回でご紹介した受益者連続型信託は、無制限に世代をまたげるわけではありません

受益者の死亡により、当該受益者の有する受益権が消滅し、他の者が新たな受益権を取得する旨の定め(略)のある信託は、当該信託がされた時から三十年を経過した時以後に現に存する受益者が当該定めにより受益権を取得した場合であって当該受益者が死亡するまで又は当該受益権が消滅するまでの間、その効力を有する。(信託法91条)

条文が読みにくいので、図で整理します。

受益者連続型信託の30年ルール 信託を設定してから30年が経過するまでは、受益者が何代替わっても定めどおりに承継されます。30年が経過した後に新たに受益権を取得した受益者が亡くなった時点で、その先へ承継させる定めは効力を失い、信託は終了に向かいます。したがって、30年経過後の承継は1回限りとなります。 信託の設定 30年経過 何代替わっても定めどおり承継される この後に受益権を取得した人が最後 新たな受益者 その人の死亡で終了 30年経過後の承継は1回限り。信託終了時の財産の行き先(帰属権利者)を必ず定めておきます
図3:30年ルールのイメージ。「孫の代まで」なら通常は問題になりませんが、それ以上を望む設計では制限がかかります。

実務での意味

  • 「30年で信託が終わる」という意味ではありません。30年経過後に受益権を取得した人が亡くなった時点で、それ以降の承継の定めが効力を失います
  • 親→子→孫という2〜3代の承継であれば、通常は問題になりません
  • ひ孫・玄孫の代まで縛ろうとする設計は、途中で必ず途切れます
  • したがって、信託が終わったときに財産が誰に帰属するのか(帰属権利者)を必ず契約に書いておく必要があります

4. 注意点④|信託口口座が開けないという現実

なぜ専用の口座が必要なのか

受託者は、信託財産と自分の財産を分けて管理する義務を負います。

受託者は、信託財産に属する財産と固有財産及び他の信託の信託財産に属する財産とを、(略)分別して管理しなければならない。(信託法34条1項)

そのために開設するのが「信託口口座(しんたくぐちこうざ)」です。「委託者◯◯ 受託者△△ 信託口」といった名義になり、受託者個人の財産とは切り離されます。

何が問題なのか

内閣府の規制改革推進会議に提出された資料でも、民事信託の普及を妨げる課題として「信託口口座を容易に準備できない」ことが挙げられています。

起きること内容
対応する金融機関が限られるすべての銀行・信用金庫が信託口口座を扱っているわけではありません
審査が厳しい信託契約書の内容(次の受託者の定め、倒産隔離の手当てなど)を事前に審査され、条項が足りないと開設を断られます
事前に契約書案の確認を求められる公正証書にする前に金融機関へ案を提出する必要がある場合があります

受託者個人の口座で代用すると何が起きるか

やむを得ず受託者個人の名義の口座で管理した場合、次のリスクを負います。

  • 受託者が亡くなると、その口座が相続財産として凍結される(信託財産であることを外から判別できないため)
  • 受託者に債務があるとき、差押えの対象になりうる
  • 分別管理義務違反として、受託者が責任を問われる

この点は、金融機関の選定を含めて設計段階で詰めておくべき事項です。 「契約書ができてから銀行に行ったら断られた」という事態は、実際に起きています。

5. 注意点⑤|受託者の義務は重い。過料の定めもあります

家族が受託者になると、「親の財産を管理してあげる」という感覚になりがちですが、法律上は専門的な受任者と同じ責任を負います。

義務条文具体的にやること
善管注意義務信託法29条2項財産を適切に維持・管理する
忠実義務信託法30条自分の利益のために信託財産を使わない
分別管理義務信託法34条信託口口座で管理する。不動産は信託の登記が必須(免除できない)
帳簿等の作成・保存信託法37条信託帳簿を作り、財産状況開示資料を年1回作成する
報告義務信託法37条受益者に財産状況を報告する

そして、これらを怠った場合の定めがあります。

受託者(略)は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。(略)四 この法律の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。 六 第三十七条第一項、第二項若しくは第五項の書類若しくは電磁的記録(略)を作成せず、若しくは保存せず(略)したとき。(信託法270条1項)

加えて、第4回でお伝えしたとおり、信託の計算書や受益者別調書を提出しなければ、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金という定めもあります(所得税法242条5号、相続税法70条)。

受託者を引き受けるご家族には、この事務が何十年も続くことを、あらかじめ理解していただく必要があります。

6. その他の見落としやすい落とし穴

落とし穴内容と対策
受託者が受益権を全部持つと信託が終わる受託者が受益権の全部を固有財産で有する状態が1年間継続すると信託は終了します(信託法163条2号)。受益者が亡くなって受託者が唯一の受益者になる設計では要注意
農地は簡単には信託できない農地は農業委員会の許可がなければ権利を移転できません(農地法3条)。実務上、農地をそのまま信託するのは困難です
借入金のある不動産金融機関の承諾なく信託すると、契約違反として一括返済を求められるおそれがあります。必ず事前協議
受託者が先に亡くなる高齢の親が委託者、60代の子が受託者という設計は珍しくありません。次の受託者を必ず定める(定めがないまま1年経過すると信託は終了します・信託法163条3号)
信託しなかった財産信託の対象外の預金・有価証券は、遺言がなければ遺産分割協議が必要です。信託と遺言はセットで
年金は信託できない年金の受給権は本人固有の権利で、信託財産にできません。受給口座は本人名義のまま残す設計になります
費用倒れ財産の規模に比べて設計・登記の費用が重くなることがあります。「信託が最適か」から検討することが大切です

7. 家族に受託者を任せられないときは|外部に託すという選択肢

ここまでお読みになって、「そもそも受託者を任せられる家族がいない」と感じられた方もいらっしゃると思います。

家族信託は、信頼して財産を託せるご家族がいることが大前提の仕組みです。お子さまがいない、遠方で頼みにくい、事務の負担をかけたくない——そうした場合には、外部の事業者に託すという選択肢があります。

7-1. 信託会社自身が受託者になるサービス(商事信託)

信託を業として引き受けるには、信託業法に基づく免許または登録が必要です。金融庁の監督指針では、運用型信託会社は免許制、管理型信託会社は登録制と整理されています。ご家族ではなく、こうした会社が受託者になるものを「商事信託」と呼びます(第1回の表を参照)。

たとえば積水ハウス信託株式会社(積水ハウスと三井住友信託銀行が共同で設立した信託会社)は、不動産(土地・建物)を対象とした信託を取り扱っており、同社自身が受託者となって、オーナー(委託者)と信託契約を結ぶ形をとっています。オーナーが認知症になった場合にも、信託契約に定めた目的に従って賃貸住宅の運営・管理を続けられることを想定したサービスです。

このほか、信託銀行・信託会社が、金銭を対象とした「遺言代用信託」などの商品を扱っています。

7-2. 受託者はご家族のまま、周辺を支えてもらうサービス

もう一つの形が、受託者はご家族が務め、金融機関が周辺を支えるという組み合わせです。たとえば三井住友信託銀行の「民事信託サポート」は、銀行が受託者になるのではなく、信託口口座の開設や、一部の地域での弁護士の紹介などを通じて、家族信託の実行を支援するサービスです。

注意点④でお伝えした「信託口口座が開けない」という壁は、こうしたサービスを使うことで越えられる場合があります。

7-3. ご家族が受託者になる場合との比較

比較項目ご家族が受託者(家族信託)信託会社が受託者(商事信託)
受託者になる人ご家族(無報酬とする設計も可能)信託会社
対象になる財産契約で定めた財産(不動産・金銭・自社株など)その会社が扱う財産に限られる(不動産のみ、金銭のみ など)
引き受けてもらえるかご家族の合意で決められる会社の引受審査があり、断られることもある
設計の自由度高い(目的・給付方法を細かく決められる)会社の商品設計の枠内
日々の事務の負担ご家族が負う(帳簿・年1回の報告・税務署への提出)会社が担う
継続的な費用受託者が無報酬なら抑えられる信託報酬が継続的にかかる
受託者が欠けるリスク死亡・病気により交代が必要になる会社が存続する限り継続する
向いている場面任せられるご家族がいて、柔軟に設計したい任せられるご家族がいない/ご家族に事務負担をかけたくない

どちらが優れているという話ではありません。 「任せられるご家族がいるか」「どこまで自由に設計したいか」「事務を誰が担うか」によって、選ぶべき形が変わります。

7-4. 一般社団法人を受託者にする方法について

実務では、ご家族が設立した一般社団法人を受託者にする設計が紹介されることがあります。受託者が亡くなるたびに交代が必要になる問題を避けられる、という利点があるためです。

ただし、信託報酬を得て反復継続的に信託を引き受ければ、信託業に当たり、免許・登録が必要になるおそれがあります。個別の事情によって判断が分かれる論点ですので、この形を検討される場合は、必ず信託に詳しい弁護士・司法書士を交えて設計してください。

本記事で会社名を挙げているのは、選択肢の例をお示しするためであり、特定のサービスを推奨するものではありません。ご利用にあたっては、対象となる財産・費用・契約内容を各社に直接ご確認ください。

8. 進め方の目安

家族信託を進めるときの流れ まず目的と財産を整理し、信託が本当に必要かどうかを検討します。次に相続税の試算と課税関係の確認を行い、そのうえで信託の設計と家族の合意形成をします。金融機関へ信託口口座の相談をし、契約書案を作成して公正証書にします。最後に不動産の信託登記と口座開設を行い、信託が開始した後は毎年の報告と税務署への提出を続けます。 ① 目的と財産の整理 そもそも信託が必要か ② 税務の確認 相続税の試算・損益の見通し ③ 設計と家族の合意 遺留分にも配慮する ④ 金融機関へ相談 信託口口座・借入金の承諾 ⑤ 契約書・公正証書 公証役場で作成 ⑥ 登記・口座開設 信託がスタート ⑦ 開始した後がむしろ本番 年1回の報告・信託の計算書(翌年1月31日)・受益者別調書(翌月末日)を続けます
図4:家族信託の進め方。②の税務確認と④の金融機関相談を、契約書の作成より前に置くのが要点です。

②と④を後回しにした結果、作り直しになる——これが実務でいちばん多い失敗です。

よくある質問

Q1. すでに信託契約を結んでしまいました。今から見直せますか?

契約の定めによります。多くの信託契約では、委託者と受益者の合意(または受託者を含む三者の合意)で変更できるとされています。委託者が元気なうちであれば、条項の追加・変更や、信託財産の一部を戻すことも検討できます。判断能力があるうちに見直すことが大切です。

Q2. 受託者を引き受けた子が、途中でできなくなったら?

信託契約に定めた次の受託者が引き継ぎます。定めがなく、新受託者が就任しない状態が1年続くと、信託は終了します(信託法163条3号)。予備の受託者を必ず定めておいてください。

Q3. 「信託で相続税が下がる」と説明を受けました。本当ですか?

第4回でお伝えしたとおり、信託そのものに節税効果はありません。評価額も下がりません。むしろ本記事の注意点①のように、税務上不利になる場面があります。そうした説明を受けた場合は、根拠となる条文や計算をご確認ください。

Q4. 信託の相談は、どの専門家にすればよいですか?

家族信託は、税務・法務・登記・金融が交差する分野です。実務では次のように役割を分担します。

誰が何を
税理士相続税の試算、課税関係の確認、信託の計算書・調書の作成
行政書士信託契約書の案の作成、公正証書化のサポート
司法書士不動産の信託登記
弁護士家族間に争いがある場合の対応、法律的な紛争の解決
金融機関信託口口座の開設、借入金がある場合の承諾

当事務所は税理士と行政書士を兼ねていますので、税務の検討と契約書の設計を一体で進められます。登記と紛争対応は提携の司法書士・弁護士と連携します。

Q5. 相談するタイミングはいつがよいですか?

「まだ早いかな」と思う時期が最適です。信託は、判断能力があるうちにしか組めません。認知症の診断を受けてからでは、選択肢は法定後見だけになります。ご本人が元気で、ご家族と落ち着いて話し合える時期にご相談ください。

まとめ

  • 信託した不動産の赤字は切り捨てられる(租税特別措置法41条の4の2)。大規模修繕の時期は設定前に検討する
  • 遺留分は信託では消せない。遺留分を潜脱する設計は、公序良俗違反として一部無効とされた裁判例がある(東京地裁平成30年9月12日判決。控訴審で和解のため確定はしていません)
  • 受益者連続は30年ルールの制限を受ける(信託法91条)。帰属権利者を必ず定める
  • 信託口口座は簡単には開けない。金融機関との相談は契約書を作る前に
  • 受託者は善管注意・忠実・分別管理・帳簿作成・報告の義務を負い、100万円以下の過料の定めもある
  • 受託者が受益権を全部持つ状態が1年続くと信託は終了(信託法163条2号)。次の受託者も必ず定める
  • 任せられるご家族がいない場合は、信託会社が受託者になるサービス(商事信託)という選択肢がある。対象財産や設計の自由度に制約がある一方、事務負担を負わずに済む
  • 進め方の要は、税務の確認と金融機関相談を、契約書の作成より前に置くこと

これで「信託を使いこなす」全5回の連載は終わりです。信託は万能ではありませんが、認知症による資産凍結という、遺言では絶対に埋められない空白を埋められる、ほぼ唯一の手段です。ご自身のご家族に必要かどうか、この連載が判断の材料になれば幸いです。

この連載をはじめから読む

ご参考(令和8年8月17日現在)

家族信託は、始めることよりも**「始めた後を続けられるか」**が問われる仕組みです。当事務所では、設計の段階で税務上の影響を確認し、開始後の毎年の報告・提出まで含めてお手伝いします。「提案を受けた信託の内容を、第三者の目で見てほしい」というご相談(セカンドオピニオン)にも対応しています。板橋区・大山の当事務所までお気軽にどうぞ。

なお、不動産の信託登記は司法書士、ご家族間に争いがある場合は弁護士と、提携の専門家と連携して進めます。

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