会社設立

板橋区で会社設立するには?流れ・費用・区の支援制度を税理士・行政書士が解説

「板橋区で会社を作りたいが、何から手をつければいいのか分からない」「費用はいくらかかるのか」——起業を考え始めた方から、よくいただくご相談です。

この記事では、板橋区で会社を設立するときの流れと費用の目安、そして**板橋区ならではの支援制度(登録免許税が半額になる特定創業支援等事業)**まで、板橋区大山の税理士・行政書士がまとめて解説します。

※ この記事は連載「板橋区で会社をつくる」の第1回(全体像)です。続きの回は順次公開します。

株式会社と合同会社、どちらで設立する?

まず最初に決めるのが会社の形です。多くの方は株式会社か合同会社のどちらかを選びます。

項目株式会社合同会社
設立費用の目安約17万〜25万円約6万〜10万円
知名度・対外的な信用高い株式会社より劣る場合がある
役職名代表取締役代表社員
利益の配分出資割合が原則定款で自由に決められる
向いているケース取引先や採用で信用を重視する事業、将来の拡大を見据える事業設立費用を抑えたい、小規模で始めたい事業

税金の扱い(法人税など)は基本的にどちらも同じです。「取引先に対する見え方」と「初期費用」のどちらを優先するかで選ぶのが実務的な判断です。迷う場合は、事業の内容と将来像を伺ったうえでご提案できます。

会社設立の流れ(6ステップ)

1. 基本事項を決める

商号(会社名)、本店所在地、事業目的、資本金、役員構成、事業年度(決算月)を決めます。

このうち資本金と事業年度は税金に直結します。たとえば資本金1,000万円未満で設立すると、設立当初の消費税が免除される場合があります(ただしインボイス登録をするかどうかで判断が変わります)。決算月も、繁忙期や資金繰りを踏まえて決めるのがおすすめです。

2. 定款を作成する

会社のルールブックにあたる書類です。紙の定款には4万円の収入印紙が必要ですが、電子定款にすれば印紙代4万円は不要です(当事務所でも電子定款に対応しています)。

3. 定款の認証を受ける(株式会社のみ)

株式会社は、公証役場で定款の認証を受ける必要があります。板橋区内では板橋公証役場(都営三田線・板橋区役所前駅すぐ)が利用できます。

認証手数料は資本金の額などで変わり、2024年12月からは、資本金100万円未満で一定の要件(発起人が個人3名以下など)を満たす小規模な会社は1万5,000円に引き下げられています(従来は3万円)。

なお、合同会社は定款認証が不要です。ここが設立費用の差の大きな理由です。

4. 資本金を払い込む

発起人(出資者)の個人口座に資本金を振り込み、通帳のコピー等で払込みを証明します。

5. 設立登記を申請する

法務局に設立登記を申請します。板橋区に本店を置く会社の登記は、東京法務局 板橋出張所が管轄です(オンライン申請も可能)。登記を申請した日が会社の設立日になります。

登記の際に納める登録免許税は、株式会社が資本金の0.7%(最低15万円)、合同会社が資本金の0.7%(最低6万円)です。

6. 設立後の届出を行う

登記が完了したら、税務署などへの届出が必要です(後述の一覧表をご覧ください)。

設立費用の目安

費用の項目株式会社合同会社
定款の収入印紙4万円(電子定款なら0円)4万円(電子定款なら0円)
定款認証の手数料1万5,000円〜5万円不要
登録免許税15万円〜(資本金×0.7%)6万円〜(資本金×0.7%)
合計の目安約17万〜25万円約6万〜10万円

このほか、会社の実印(代表者印)の作成費用などがかかります。

板橋区の「特定創業支援等事業」で登録免許税が半額に

板橋区で創業する方に、ぜひ知っておいていただきたい制度です。

板橋区は国の認定を受けた創業支援(特定創業支援等事業)を実施しており、区が開催する**「実践型創業マスタースクール」**などを受講して要件を満たすと、区から証明書の交付を受けられます。この証明書があると、次の優遇が受けられます。

優遇の内容通常証明書がある場合
株式会社の登録免許税資本金×0.7%(最低15万円)資本金×0.35%(最低7万5,000円)
合同会社の登録免許税資本金×0.7%(最低6万円)資本金×0.35%(最低3万円)

このほか、創業融資の面での優遇や、専門家の無料派遣などの支援もあります。証明書の有効期限は発行日から1年以内とされています。

注意点として、スクールは開催時期が決まっているため、設立を急ぐ場合はスケジュールが合わないことがあります。「支援制度を待つか、先に設立するか」も含めて、創業スケジュール全体でご相談いただくのがおすすめです。

詳細は板橋区公式ホームページ(実践型創業マスタースクール)をご確認ください。

設立後の届出先一覧(板橋区の場合)

登記が終わっても、まだ手続きは残っています。板橋区に本店を置く会社の主な届出先は次のとおりです。

届出先主な届出期限の目安
板橋税務署法人設立届出書設立から2か月以内
板橋税務署青色申告の承認申請書設立から3か月を経過した日と、最初の事業年度終了日の、いずれか早い日の前日まで
板橋都税事務所法人設立届出書(都民税・事業税)事業開始から15日以内
板橋年金事務所健康保険・厚生年金保険の新規適用届設立から5日以内
労働基準監督署・ハローワーク労働保険の手続き従業員を雇用したとき

※東京23区内は、法人住民税・法人事業税の届出先は都税事務所のみで、区役所への届出は不要です。

特に青色申告の承認申請書は期限を過ぎると初年度に青色申告の特典(欠損金の繰越しなど)が使えなくなるため、設立したらすぐの提出をおすすめします。

このほかにも、納期の特例や申告期限の延長など、当事務所が設立時に標準でおすすめしている届出があります(詳しい解説記事を近日公開予定です)。

設立前後で気をつけたいポイント

  • 役員報酬は設立から3か月以内に決める … 法人税の計算上、原則として期の途中で変更できません(定期同額給与)。利益予測と社会保険料を踏まえた設計が必要です。
  • 消費税・インボイスの判断 … 取引先が事業者中心ならインボイス登録が事実上必要になるケースが多く、免税のメリットと比較して判断します。
  • 創業融資は早めに動く … 日本政策金融公庫の創業融資は、自己資金や事業計画の内容が重視されます。設立前後の早い段階で準備するほど選択肢が広がります。事業計画書の作成からサポートできます。

まとめ

  • 会社の形は「信用の株式会社」か「低コストの合同会社」かを事業の将来像で選ぶ
  • 板橋区の会社設立は、定款認証=板橋公証役場、登記=東京法務局板橋出張所が窓口
  • 板橋区の特定創業支援等事業を使うと登録免許税が半額になる(スケジュールに注意)
  • 設立後は板橋税務署・板橋都税事務所・板橋年金事務所への届出を忘れずに。特に青色申告の承認申請は早めに

当事務所は板橋区大山(大山駅徒歩1分)の税理士・行政書士事務所です。会社設立の書類作成(行政書士業務)から、創業融資の支援、設立後の経理・税務の体制づくり、毎月訪問の顧問まで、設立の前から後までワンストップでお手伝いします。「まだ構想段階」という方こそ、後戻りしにくい部分を先に設計できますので、お気軽に無料相談をご利用ください。

参考(公的情報)

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